人生をともにする物語
第六回 家族の物語を刻む場所

  • #人生をともにする物語
  • #客室係
  • #有馬グランドホテル

毎日、多くのお客様をお迎えする中の坊。お客様一人ひとりに今日ここに来られた意味があり、そこには人生の物語があります。その一つひとつに寄り添い、物語の一ページに花を添えるのが私たちの使命です。大きな責任と使命を胸に、私たちは今日もお客様をお迎えします。

プロポーズも
娘の名前も…

彼女にプロポーズをしたのは二〇二一年九月二八日。その日は彼女の誕生日でもありました。二人の人生においてかけがえのない一日を過ごす場所として、私が選んだのが有馬グランドホテル・別墅結楽です。旅行が好きで日本中の宿を巡ってきた私たちにとって、まるで第二の我が家のように利用する結楽は唯一無二の宿。一生に一度の思い出を刻む宿はあったとしても、人生の思い出を刻み続けたいと思える宿は他にありません。結婚をして、子どもができて…、これから始まる私たち家族の物語をここに刻んでいきたいと思い、結楽でプロポーズすることにしたのです。

その後、私たちは結婚。去年の七月には長女が誕生しました。名前は、ゆら。プロポーズをした日に私たちのお部屋を担当してくださった客室係さんのお名前「ゆら」さんからいただきました。かけがえのない一日を支えてくださったゆらさんと結楽。偶然の巡り合わせに不思議な縁を感じ、お名前をいただくことにしました。ゆらさんにこの報告がしたい。そう思った私たちは、九月二八日に再び結楽を訪れました。すると、用意されていたのは私たちへのメッセージが書かれた色紙。そこには、すでに退職されていたゆらさんと、当日係についてくださった山本さんから誕生日、結婚、出産を祝う言葉が綴られていました。思いがけないプレゼントに、私たちは感動。おかげで忘れられない一日になりました。私たち家族にとってかけがえのないこの思い出は、その日を過ごした結楽と我が家のリビングに飾られた色紙に刻まれています。