美を紡ぐ調度品 第六回
伝統の技が生み出す階調

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ご宿泊いただくたびに、新しい発見がある。お客様の一期一会の日々を大切にするために、常に新しい表情でお迎えしたいと考えています。館内の調度品においても有馬にゆかりのあるものをモチーフにオーダーメイド。細部にいたるこだわりも、私たちが考えるおもてなしのひとつです。

伝統の技が
生み出す階調

二階ロビー横の回廊でスポットライトを浴びる五つのタペストリー。これらは一九九七年に中央館がリニューアルオープンしたときより飾られています。製作したのは、山形県山辺町のオリエンタルカーペット株式会社。山形緞通のブランドで、世界に誇る最高品質のじゅうたんを手仕事で創り続ける伝統企業です。

タペストリーのテーマは「五大」。万物の根源的構成要素とされる五大(左から順に空・風・火・水・地)を表現しています。各作品の特徴でもある美しいグラデーションは、フックガンという専用の電動工具で毛糸を打ち込む「手刺し緞通」という技法でなければ成し得ないもの。空は三一色・風は二二色・火は三四色・水は十五色・地は三一色の毛糸を用いて、細かな色の違いを生みだしています。当館へお越しの際は、ぜひとも作品に近づき、匠の技をご堪能ください。一点一点をご覧になった後は、作品から離れて鑑賞するのもお勧め。五点を全体で観ると、地球、月、太陽と大きな宇宙が現れます。糸が織りなすアート作品を、さまざまな角度からお愉しみください。

20年以上の時を経た今も、色褪せることなく輝き続けるタペストリー。オリエンタルカーペット社の高い染色技術が息づく、耐日光性に優れた毛糸が使用されています。