美を紡ぐ調度品 第五回
ロビーに佇む女性像

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ご宿泊いただくたびに、新しい発見がある。お客様の一期一会の日々を大切にするために、常に新しい表情でお迎えしたいと考えています。館内の調度品においても有馬にゆかりのあるものをモチーフにオーダーメイド。細部にいたるこだわりも、私たちが考えるおもてなしのひとつです。

世界的な
現代彫刻家の作品

ロビーにひっそりと佇む女性像。「うずくまる女」と名付けられたその彫刻は、イタリアの現代彫刻家「エミリオ・グレコ」(一九一三年〜一九九五年)の作品です。有馬グランドホテルにやってきたのは一九八一年の夏のこと。以来、四〇年にわたって、当館とともに歴史を刻んできました。に

グレコは一九五六年の第二八回ヴェネチア・ビエンナーレで彫刻大賞を受賞。イタリアを代表する彫刻家になった彼は、世界各地で個展を開きます。一九七一年には兵庫県立近代美術館をはじめ、日本各地で大規模な巡回展を開催。一九八〇年には大阪・梅田のナビオ阪急に、ブロンズ「腰かける女(大)No.2」「エレーナ」及びエッチングパネル「愛のイメージ、構成、別れNo.8」が設置されました。ちなみに、これらの作品は今もHEP NAVIOにて展示されています。このように日本とも縁の深い彼の作品は、箱根 彫刻の森美術館のグレコ・ガーデンの他、各地で展示。当館ロビーに展示している「うずくまる女」は連作であり、東京の三菱一号館広場では「うずくまる女 No.3」を鑑賞することができます。彫刻の歌麿とも評されるグレコ。すばらしい形態感覚と優美な官能性を持つ類い稀な芸術家が遺した芸術作品を、当館へお越しの際はぜひともご覧ください。

仙台市の定禅寺通りのシンボルであり、グレコの代表作である「夏の思い出」の伸びやかな女性像とは対照的な「うずくまる女」。甘美で官能的なフォルムが特徴のひとつです。